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【コラム】ターミナルケアの現場で大切にしていること
~“その人らしい時間”を支えるために~
「ターミナルケア」と聞くと、“看取り”や“人生の最期を支える仕事”として、精神的に大変そうなイメージを持つ方もいるかもしれません。
実際の現場では、緊張感のある場面もあります。
ご入居者様の状態変化が続く中で、スタッフは小さな表情や反応の違いにも気を配ります。
その一方で、ご入居者様がテレビを見ながら世間話をされたり、ご家族様と一緒に笑顔で過ごされたりする穏やかな時間もあります。
そうした日々に関わる中で、ターミナルケアは“最期の場面”だけでなく、“その人らしい生活を最期まで支えるケア”でもあるのだと感じる瞬間があります。
今回はターミナルケアに関わるスタッフに、現場で感じた不安や戸惑い、そして働く中で変化したことについて話を聞きました。
初めてターミナルケアに関わったときの不安
実際の現場は、想像していたものと違った
「最期まで普通に過ごしたい」という言葉
一人で抱え込まない環境
ターミナルケアを通じて成長したこと
「できない理由」ではなく、「できる方法」を考える
多職種で支えるターミナルケア
まとめ
初めてターミナルケアに関わったときの不安
最初は、「自分の対応が本当にこれで良いのか」という不安が大きかったといいます。
状態変化も早く、少しの表情や反応の違いにも緊張していました。
また、ご入居者様だけでなくご家族様への関わり方にも戸惑いがあったそうです。
「どのような声掛けが正解なのか」
「自分の声掛けで傷つけてしまわないか」
そう悩むことも少なくなかったと話してくれました。
先輩スタッフや管理者と相談しながら関わる中で、“完璧な答えを出すこと“より、“その方に寄り添い続けること”の大切さを感じるようになったようです。
実際の現場は、想像していたものと違った
ターミナルケアという言葉に対して、
「重たい空気の中で常に緊張している」というイメージを持っていたといいます。
しかし実際にはご入居者様と何気ない会話をしたり、テレビ番組の話で笑い合ったり、
ご家族様と一緒に穏やかな時間を過ごしたりする場面も多くあります。
もちろん、簡単な仕事ではありません。
それでも現場で関わる中で、ターミナルケアは“最期を迎えるための時間”ではなく、“その人らしい生活を最期まで支える時間”でもあると感じるようになったそうです。
「最期まで普通に過ごしたい」という言葉
特に印象に残っているご入居者様についても話してくれました。
その方が望まれていたのは、特別なことをする時間ではありませんでした。
いつも通り食事をして、
テレビを見て、
スタッフと会話をする。
そうした“いつもの時間”をとても大切にされていました。
状態が変化していく中でも、できる限りご本人様の希望を尊重しながら支援を続けた結果、ご家族様から
「ここで過ごせてよかった」というお言葉をいただいたことが、今でも印象に残っているそうです。
ターミナルケアは、何か特別なことをするだけではなく、“その人にとっての当たり前”を支えるケアでもあるのだと感じたといいます。
一人で抱え込まない環境
ターミナルケアでは、精神的に負担を感じることもあります。
実際に、感情的に落ち込む日もあるそうです。
そんな時は、一人で抱え込まず、スタッフ同士で気持ちを共有するようにしていると話してくれました。
日頃から、スタッフ間での情報共有や管理者への報告・連絡・相談を行うことで、「一人で支えている」という感覚になりにくい環境があるそうです。
困った時に相談しやすい雰囲気があることも、現場で働く上で大きな支えになっていると話してくれました。
ターミナルケアを通じて成長したこと
働く中で、小さな変化に気付く観察力や、ご入居者様・ご家族様の想いを汲み取る力が身についたと感じているそうです。
また、相手の価値観を尊重しながら関わる姿勢や、多職種との連携力も以前より高まったといいます。
“ケアをする”だけでなく、“その人がどう過ごしたいか”を考える視点が少しずつ身についていったのかもしれません。
「できない理由」ではなく、「できる方法」を考える
この職場ならではと感じることについて尋ねると、「できない理由を並べるのではなく、どうすればできるかを考えること」という言葉が返ってきました。
例えば、食事形態や過ごし方、面会のタイミングなどについても、できる限りご入居者様やご家族様の希望に沿えるよう、多職種で相談しながら対応しているそうです。
マニュアル通りに進めるだけではなく、“その方に合ったケア”をチームで考えられる環境だと感じていると話してくれました。
多職種で支えるターミナルケア
ターミナルケアは、一つの職種だけで支えるものではありません。
看護師や介護士、医師、ケアマネジャーなど、さまざまな職種が日頃から情報を共有しながら関わっています。
職種間の距離が近く、連携が取りやすいことは、ご入居者様の小さな変化に早く気付くことにもつながっています。
「最期までその人らしく過ごしていただく」
その想いを、職員全体で共有しながら支えていることが、この現場の大きな特徴なのかもしれません。
まとめ
ターミナルケアは、人生の最終段階にある方を支えるケアです。
それは、医療的な対応や身体的なケアだけでなく、その方が最期までどのように過ごしたいのかを一緒に考え、支えていくことでもあります。
いつもの食事、何気ない会話、テレビを見ながら過ごす時間。
一つひとつは特別でなくても、その人にとっては、かけがえのない日常だったのかもしれません。
「最期までその人らしく過ごせること」
ターミナルケアの現場では、その時間を支えるために、今日も多くのスタッフが向き合っています。