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【コラム】介護保険ってなに?その目的と役割について
はじめに
現在、日本は超高齢社会に突入しています。令和7年に総務省統計局が報じた「統計からみた我が国の高齢者」には、2045年までの人口推移シミュレーションで、高齢者の人口はさらに増え続けると推計されています。このことから、要介護及び要支援状態の高齢の方が、今後も増えてくる可能性があるのは言うまでもありません。いつ身近な人(両親・祖父母・配偶者など)が要介護及び要支援状態になるかわかりません。こうした状況の中で、あらかじめ介護に関する知識を持っておくことは、とても大切です。
介護にまつわる制度のひとつに「介護保険制度」というものがあります。一度は耳にした方も多いのではないでしょうか。この介護保険制度は、「介護をする人」と「介護を受ける人」、双方にとって非常に重要な制度です。
今回は、「介護保険制度」について解説します。
国連とWHO(世界保健機関)の定義に基づいて、65歳以上の人口が総人口の21%を超えた社会のことを指します。
【目次】
介護保険制度とは、その目的と役割
介護保険制度の仕組み
まとめ
介護保険制度とは、その目的と役割
昔は「親の介護は子供や家族が行うもの」とされてきましたが、高齢化の進行により、介護が必要な人が増加し、「それらの人を介護しなければいけないこと」が原因で離職者が増加したことが社会問題となっています。
こうした中で、介護保険制度は、高齢者の介護を、家族だけでなく社会全体で支える仕組みとして導入されました。
介護保険制度の基本的考え
- 介護を必要とされている方の身の回りの世話をすることを超えて、自立を支援することを理念としている。
- 利用される方の選択で、保健医療サービスや福祉サービスを総合的に得られる「利用者本位」の制度である。
- 給付と負担が明確で健全な社会保険方式を採用する。
介護保険制度の仕組み
基本的な仕組みとしては①市町村(保険者)、②加入者(被保険者)、③サービス事業者の3つで構成されています。(図1)

(図1)
(注1)一定以上の所得者については、費用の2割負担(平成27年施行)又は3割負担(平成30年施行)
(図1)出典:厚生労働省老健局 介護制度の概要(令和7年7月)➚
それぞれの役割について
①市町村(保険者)
①市町村(保険者)はその地域に住む②加入者(被保険者)から保険料を受け取ります。そして②加入者(被保険者)が要介護(介護認定者)になったときは、介護保険サービスの給付を行います。
また、①市町村(保険者)は、保険料を受け取ると共に、被保険者証を発行します。そして②加入者(被保険者)に介護が必要になったとき、要介護の程度はどれくらいなのか、保険給付の対象になりえるかどうかなど介護の必要度を判定する「介護認定審査会」によって審査が行われます。
審査の結果は被保険者証に記載されて②加入者(被保険者)に返却されます。
②加入者(被保険者)
介護保険制度においての②加入者(被保険者)は、年齢によって第1号被保険者と第2号被保険者とに区別されています。これにより保険料の金額などが異なります。
被保険者であるということを示す「介護保険被保険者証」の交付においては、要件があります。
介護保険被保険者証の交付要件
- 第1号被保険者は原則すべての人に交付する
- 第2号被保険者は要介護及び要支援認定を受けた人と被保険者証の交付申請をした人
に対して交付する。
介護サービスの利用については、第1号被保険者ならびに第2号被保険者ともに、介護認定もしくは要支援認定が認可されれば利用できます。しかし、第2号被保険者においては要介護もしくは要支援の状態が「老化に起因する疾病(特定疾病)」(表1)によるものである場合に限定されます。

(表1)
(表1)出典:厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」より➚
まとめ
介護保険制度は、超高齢化社会となった日本に、ご高齢の方の介護を社会的に支援していく取り組みということがわかりました。その中で今後大きな課題になるのは「財源」ではないでしょうか。介護保険制度の財源は、公費が50%、40歳以上が納める保険料が50%で構成されています。2025年以降は、団塊の世代が75歳以上となり、介護ニーズの増加が見込まれています。
今後、少子高齢化による日本の人口減少によって、保険料や公費(税金)が得られず財源が確保できない現実を突きつけられるかもしれません。
この難題に対して我が国はどのような方向に舵を切っていくのか、注視していく必要があるでしょう。